「松浦弥太郎の新しいお金術」を読みました。
暮らしの手帳の編集長、松浦弥太郎さんがお金との関わり方について書かれた本。節約とか投資とかの具体的な方法ではなく、そもそもお金をどうかかわっていくかを柔らかく書いてあります。
お金=良質な友達
お金とどう付き合うかを決めるなら、僕は「友だちづきあい」がしたいと、お金というのは、友だちみたいなものじゃないかと。
生きていくうえでなくてはならない存在。
親しくなりたい存在。
好きだし、尊敬の念もある存在。
親しくてもべたべたしすぎず、節度のある関係。
一生つきあったりするけれど、パートナーのような一対一のつきあいではない関係。
考えてみると、お金と友だちはよく似ています。上質な友だちづきあいが僕たちを幸せにするのと同じく、「お金さん」との上質な付き合いは、より人生をかたちづくってくれるのではないでしょうか。~中略~
お金持ちとはきっと、お金さんとの友だちづきあいが上手な人なのです
著者は、お金を「お金さん」と呼び、大切な友人を扱うのと同じように扱います。お金さんが喜ぶことをすると、お金さんが仲間を連れてやってきてくれるのです。
友だちづきあいの基本は、自分がされて嬉しいことを相手にすることですので、お金さんが喜ぶ使い方を考えます。お金を使うとき「こんな使い方をしてお金さんは喜んでくれるのだろうか?」と自分に問いかけます。
例えば、深夜のコンビニで、ストレス解消のためにお酒やアイスを買うとき、栄養を取るのではなく、かえって体調を悪くし、お金さん(友人)が悲しむ・・と考え浪費しない選択をします。自分の投資になり、世の中の役にたつようなお金さんが喜ぶ使い方を選ぶのです。また、普段から清潔な財布に折らずに納め、居心地の良い場所を提供します。
お金は自分のところにとどめておかない
だんだん収入を上げていき、知恵をつけ、かしこい使い方をすれば、必ず余裕が出てきます。貯金というのは結果として自然にできるものであって、最初から目的にするのは、「なにかちがうな」と感じます。~中略~
貯金とは、本来、絶えず流れているべきお金をせき止める行為。こう考えれば、貯金など不要に思えてきます。収入を上げて正しく使い、絶えずお金という血液を自分の中で循環させえいく。やがて大きな流れになったら、自分のちいさなプールに貯め込んだりせず、社会という川の流れに解き放つ。これが自然ではないでしょうか。
お金さんを自分の家に独り占めしないように、上手に使って社会に還元します。家に閉じ込めておいたら友達に嫌われますから、旅に出させてあげます。気持ちよく旅立った友達は、仲間を連れて帰ってくるのです。
お金の流れをせき止めてしまったら、お金に嫌われてそれ以上入ってこないでしょう。上手に稼ぎ、そして世の中に循環させる意識を持った人が、年をとってもずっとお金に縁がある人なのではないでしょうか。
お金持ちは気前が良い?
「お金持ちって気前がいいですよ」
僕がこういうと、大体の人は早とちりをします。
「ああ、お金があるから、ごちそうしてくれるんでしょう。いいなあ、松浦さん。」~中略~
気前がいいというのは姿勢の問題で、いつも自分から何かを与え続けているということです。知恵でも、働きぶりでも、まず自分から先に、持っているものを差し出す。人や社会に対する貢献でも、まず自分がする。それがやがて巡り巡って、お金さんとして返ってくることがわかっているから、ゆったりと構えている。
お金持ちの気前よさとは、こういうことだと思います。
お金持ちは、自分から先に与える人なのです。それは、お金だけではなく普段の生活でも同じですね。人に関心を示し丁寧に扱ったり、ささやかなものでもプレゼントをあげたり、連絡をマメにするなどの行為をすれば相手も同じように返してくれます。
気前が良いお金持ちは、お金が余っているから奢るのではありません。自分が出したものが自分に返ってくるものだと知っているから、上手に人を喜ばせて良い循環を作っているのですね。
まとめ
・お金を「よい友人」と考え、友人が喜ぶような扱いをする
・お金の流れを自分のところで止めない。気持ちよく使って、社会に流してあげる。
・お金持ちが気前が良いのは、人に先に与えようとする気持ちの表れ。自分に帰ってくるものだとわかっている。
お金を自分のところに貯め込まない、というのはなるほどと思いました。そもそも流すものであれば貯金はそれほど必要ないと気づきました。お金を生み出せる自分であれば、いくらでもまたお金を集めることができるのです。上手に『循環』させることが大切だと学びました。