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学校って必要?社会に出てから必要な能力とは?ちきりんさんの対談本「悩みどころと逃げどころ」の教育論

社会派ブロガー&プロゲーマーの教育論

社会派ブロガーのちきりんさんと、プロ格闘ゲーマーの梅原大吾さんが、全く違う境遇を経て、教育、学歴、良い人生の作り方について対談をまとめた本です。読みどころが多すぎて困る位、濃い本でした。気になった部分をまとめます。

学校で真面目に勉強した人ほど、社会では損?

学校で真面目に勉強した人ほど、損をする仕組みじゃないかとさえ感じています。

だって学校って本来「自分のアタマで考える力」を養うところなのに、「とにかくこれをやれ」とか、「先生の言うことさえ聞いておけばいい」みたいに、無思考であることを勧めるんですよ

学校では、先生の言う通り、規律を守り従順でいることが評価される。ゴール(大学合格、一流企業就職)も決まっていてそこに向かうことだけが正義。

先生の言うことを聞けば評価されるため、従順さ=成功という価値観ができ上がる。

倒産やリストラみたいな予想外の事態に陥った時、ほんとは自分で考えて行動したり、新しいことをやってかなくちゃいけないのに、学校では自分で考える訓練も、人と違うことをやるっていう体験もしていない。

それをいきなり自力で頑張れとか言われても無理です

学校教育では自分の頭で考える力が身に付かない。それなのに社会に出たら突然、主体的に決めて動くように求められるのです。

今までの人生で何一つ自分で決断をしていないため、順調な時は良くても、予想外のトラブルには全く対応できない。40歳でリストラに会い、再度就職活動しろとか、自分に合う仕事を探すなんて無理。女性なら、結婚や出産のような人生の一大事も、決断したことが無いので決められず、ずるずると先に伸ばすことになる。 

改めて、学校教育と、社会で求められる能力のギャップを理解しました。昭和の時代は、一律に真面目な作業員を作り出せばよかったのかもしれませんが、平成の今は、自分で考え動く人じゃないと生き残るのは難しいでしょう。

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学ぶ意味を明確にすれば、学ぶ意欲が湧く

たとえば僕が数学を教える側にいたなら、「あのな。数字に弱くても人間としての価値が低いわけじゃない。でも先生がゲームやマージャンをやってきた経験上、数字に弱いと勝負の世界では勝てないぞ」って言いますね。

説得力ある!そう言われたら、今頑張れば、将来プロになれる?カッコイイ生き方ができるんじゃない?という欲を刺激しますね。

勝負事以外にも数学を勉強するとどうなるのか、いいことも悪いことも最初にとことん時間をかけて理解させれば、みんなもっと意味がわかった上で勉強できると思う

なぜこれを勉強するのか、と言う意味が分かれば頑張れます。大人だって、意味を教えられずやる仕事より、意味のある仕事をした方がずっとやりがいを感じられるんだから。

将来なりたい職業がある子には、その職業に必要な科目は何かって、考えさせるのもいいかも。
「将来宇宙船を造りたい」と思っている子には、「そうなるためには、どの科目が必要だと思うか」と自分で調べさせたり。

梅原さんは授業中は寝てばかりだったとのこと。しかし、もし先生に「ゲームのアメリカの大会に出るなら英語を使うから、今のうちにやっておいた方がいいよ」と言われたら、英語を勉強しただろうと語っています。明確な動機があれば、ワクワクしながら自主的に学べるものです。

科目選択は人生を選ぶ練習

ちきりんさんは、全員で同じことを学ぶのは小学六年生まで。中学生以降は自分で科目を選択できるようになった方が良いと説きます。

特に好きなものはないって子ほど、「とりあえず決めてやってみる、それから判断する」っていうプロセスに追い込んだほうがいい。そうやって自分の人生を見つけていくんだっていうコンセプトを、早めに理解したほうがいいんですよ。

だって社会に出る時に、「自分では選べないから、誰か僕の仕事を選んでください」ってわけにはいかないでしょ

社会に出たら、仕事も、会社も、生き方も全て自己判断です。トライ&エラーを繰り返し、前に進みながら微調整するという経験を中学生からさせておくことがその後の人生に役立つと言っています。

誰だって、経験がない事は上手くできません。「決断する」のだって同じこと。自信がなくても、まず自分の頭で考えて決断する。上手くいかなければ調整する。考えながら前に進む能力を育てるべき。社会はそういうものだから。

まとめ

・学校教育では自分の頭で考える力が身に付かないが、社会に出ると考える力こそ必要になってくる。
・学ぶ意味を明確にすれば、学ぶ意欲が湧く
・科目を選ぶことで、自分で決断し前に進む練習をしておく。社会に出ると決断の連続だから。

この本は100時間にも渡る対談を1冊にまとめたのでとても濃いです・・次は「良い人生の作り方」について書きます。

 

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